福岡都市高速道路の脇に倒れこむ子猫
ごあいさつ
この数年来、地元福岡市近郊において外猫の避妊去勢手術、傷病治療、地域猫・さくら猫の見守り活動に励んでまいりました私共が活動の中で感じたこと、想いなどを綴っているページです。
弱い立場に置かれている動物たちの事を少しでも考えていただける機会になればと思っております。
地域猫・外猫のこと
皆様がその辺で見かける猫たちは1匹残らずペット用と言っても過言ではないイエネコ種。
でも、なぜかお外で暮らさざるを得ない棲むお家の無いペット種の外猫たちです。
外にいるから野生の猫と思っていらっしゃる方も多いと思いますが、元はと言えば害虫やネズミの駆除などに猫が役に立つと考えた人々が便利なペットとして共存するために飼いやすく変化させていったのがイエネコ種。
本当の野生の猫とは、イリオモテヤマネコ、ツシマヤマネコなどに代表される自然界で生きるための本能を色濃く残しているヤマネコ種。
その辺にいる猫たちとは外で生きるための能力が全く違うわけですね。
そんな外で暮らすには不向きなイエネコたちが外でなんとか暮らしている・・
そりゃ寿命も縮まるわけです。
なので。
イエネコはペット種ですから誰にも飼われずに亡くなるくらいなら・・
『 これ以上、産ませないのも愛 』
残念ながら人間が不妊手術と言う手を入れざるを得ない状況に戸惑いを感じています。
想像を絶するお外での生活
下あごの骨を砕かれた虐待疑いの外猫（傷はぼかしています）
ここでは、お外で生きざるを得ない猫たちは、一般の皆様が想像するよりもはるかに厳しい環境を生きていることをお伝えしたいと思います。
危険と言えば、まずはロードキル。自動車などに轢かれて亡くなる子がとても多いんです。
もちろん、猫たちは交通ルールを知りませんから、時には他の猫や動物と出くわして襲ったり逃げたり。
普段は住み慣れている場所や道路でも、何かあると慌ててしまい急に走り出して轢かれる
外猫のロードキルを減らすには・・飼われない子を産ませない事。これしかありません。
次は、ケガや病気。
お外で生きると言う事は、寄生虫、ウイルス、外敵、寒さ、ご飯探し、水探し、寝る場所探し、走る車、猫嫌いな人間様など、何でもありの地獄絵図
24時間365日、一時も安全な場所はない。そんな気が抜けない日々を想像できますか？
そもそも、1日のほとんどを寝て過ごす飼い猫と違って、熟睡なんてできるはずもない毎日がどれほど辛いか想像してください。
歩けば危険なもの踏んで怪我をしたり車に轢かれたり。寝ていれば害虫、害獣、人間にだって襲われる
そして何より、日々のご飯と水を探す必要がある。
毎日毎日、数時間おきにお腹が空く。しかも人間よりその間隔がはるかに短い。
でも人間と違って、どこにあるのかわからない食べ物を一日中探し回り、無ければ自分の脂肪を栄養に変えようとする身体の働きで肝臓を傷めて力尽きる。
人に飼われる事でお互いにWinWinで共存するためのイエネコたちが外で暮らすのは、想像よりも過酷すぎるんです。
ワンちゃんで言うと捨てられたチワワやマルチーズが山の中で産み増えて、群れを成している！なんて聞かないように。
イエネコも同様、基本的にペット種なので、お外で暮らすには向いていない動物なのです。
飼い猫の平均寿命は18年とか言われていますが、外猫の平均寿命は4年前後ではないかと感じています。
それだけを見ても外での暮らしがどれほど過酷なものかお分かりいただけたらと思います。
ですから、飼われない猫は産ませてはいけない。
外猫たちのこと。もう少し、気にかけてあげませんか？
動物たちを傷付けるのも救えるのも人間。
人間だからこそ、できる事もある。
たまたま人間に生まれた私たちだからこそ、たまたま人間以外の動物として生まれた仲間に対しても目を配る。
地球という小さな星の長い歴史の中で、ほんの一瞬だけ同じ時代を生きる仲間たち。
その仲間である動物たちの命を頂いて人間も生きているのですから。
もう少し、考えてあげましょうよ動物たちの事。
いま私たちが人間でいる事がたまたまであるとするならば...
もし来世があるとすれば...
次はたまたま...
そう考えると、動物たちに手を貸してあげるのも悪い気はしないと思います。
お外で暮らすイエネコの現状
生後数日で箱に入れられ捨てられた子猫たち
怪我の傷が腫れあがり化膿している外猫
全身アレルギーに苦しむ外猫
満身創痍で捨てられた元飼い猫
もう少し、弱い立場の動物たちの事を考えてあげませんか。
外猫の避妊・去勢手術 (TNR活動)
『産ませないのも愛』
TNR活動中に道行く人々からは、野良猫を捕まえて手術するなんて可哀想・・とか
人間のエゴで自然の営みを壊していいのか・・などとよく言われますが
目の前の1匹を手術しなければ、生まれてくる子供が沢山死んでいく事を想像できていますか？
イエネコの自然体は人間と共存してお家にいる事です。イエネコが外にいる事を自然体だと思っていますか？
などなど
こんな話は日常茶飯事なのでもう話し疲れましたが、もう少し考えを巡らすと言う事に慣れてほしい今日この頃です。
猫活をやる・やらないの前に、一番よくないのは、見て見ぬふり・よく考えない事だと思います。
そして、残念ながら今の時代は人間が不妊手術と言う手を入れざるを得ない状況に戸惑いを感じますが、今はそれしか方法が無いとも感じています。
耳先がVカットされている猫を見かけたら地域猫活動としてご飯とお水をあげてください。
その猫ちゃんは不妊手術済の猫なので子を増やすことはありません。
一代限りの命として人間が見守るべき 棲むお家のない猫ちゃんなのです。
そして、耳先がVカットされていない猫は、ご飯とお水をあげるために早く不妊手術をしてください。
TNR活動中の一枚
ここからは避妊去勢手術活動＝TNR活動時の写真を一部ご紹介します。
危険を伴う手術に耐え、避妊去勢手術済みの猫である証となる耳先のVカットを刻んだ『さくら猫』たちの愛らしい姿を見てあげてください
怖がってるお顔 ごめんね・・
ここはどこだ？
出ていいのかな？
不安げなお顔
やっと出られた！
しょんぼり
何するんだよ
どうしたらいいんだろう・・
私なにされるの？
どうしよう・・
連綿と続く長い歴史の中で、ほんの一瞬、同じ時代を共に生きる仲間たちを大切に。